Columnコラム
2025.07.11
お金事情
有給なんて使えないよ…そんな方が知っておくべき権利
退職を考えているものの、「有給休暇を使わせてもらえない」「言い出しにくい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に、退職代行を利用する方の中には、有給休暇を取得できないまま辞めてしまうケースもあります。ですが、有給は労働者の正当な権利であり、適切に行使すれば無駄なく消化できます。
今回は、そんな「有給が使えない…」と困っている方に知ってほしい権利について解説します。
1. 有給休暇は労働者の権利!拒否されるものではない
有給休暇は 労働基準法によって認められた労働者の権利です。つまり、会社が「ダメ」と言ったとしても、原則として有給取得を拒否することはできません。
また、有給休暇の 時効は2年なので、使わずに辞めてしまうと消滅してしまいます。退職日までに有給を取得すれば、休みながら給与を受け取ることができるため、積極的に活用しましょう。
2. 会社が有給を拒否する理由と対策
会社が有給取得を拒否する理由には、以下のようなものがあります。
-
① 「人手不足だから無理」と言われる
→ 法律上、業務の都合で日程を調整(時季変更権)できるだけで、取得を拒否することはできません。
退職が決まっている場合、時季変更権を理由に有給を取らせないのは違法です。
-
② 「退職者には有給は認められない」と言われる
→ 退職者であっても、有給は正当に取得できます。会社のルールより法律が優先されるため、「辞める人には有給はない」という社内ルールがあっても、それは無効です。
-
③ 「有給を使うなら退職日を延ばせ」と言われる
→ 退職の意思を伝えた後の有給取得は、退職日を延ばさずに消化可能です。
会社が退職日を勝手に延長することはできません。
3. 有給をスムーズに取得する方法
有給休暇をしっかり取得するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
-
① 退職の申し出と同時に有給取得の意思を伝える
退職を伝える際、「退職日までの間、有給休暇を消化します」と明確に伝えましょう。書面やメールで伝えると証拠が残るので安心です。
-
② 就業規則を確認する
会社の就業規則に「有給申請の期限」や「申請方法」が書かれていることがあります。あらかじめ確認し、ルールに従って申請しましょう。
-
③ 退職代行を利用する
「どうしても有給が取れそうにない」「会社とやり取りしたくない」という場合は、退職代行を利用するのも一つの方法です。
有給取得交渉ができる退職代行サービスもあるため、活用すればスムーズに退職できます。
4. 有給を使えなかった場合は未払い賃金として請求も可能
万が一、有給が消化できずに辞めてしまった場合、 未消化の有給分を「未払い賃金」として請求できることもあります。労働基準監督署に相談することで、会社に支払いを求めることが可能です。
まとめ:有給は正当な権利!しっかり活用しよう
「有給は使えない」と思い込んでしまうと、辞める際に損をしてしまう可能性があります。有給休暇は労働者の権利であり、退職時にも適用されるため、しっかり活用しましょう。会社が拒否してきた場合は、冷静に法律をもとに主張することが大切です。
もし有給取得が難しい場合は、退職代行を利用したり、労働基準監督署に相談したりして、適切に対応しましょう。